四川料理の紹介シリーズ:火鍋(重慶火鍋・麻辣火鍋)
四川の火鍋は、痺れ、辛み、旨みと香りで名を知られている。庶民の間に生まれ、貴族まで広まった。四川の火鍋は消費顧客層が職業問わず、年齢性別問わず、社会の各階級に渡り、平均消費回数も膨大で、他の物はとても足元に及ばない。美食として、火鍋は四川と重慶の代表的な逸品となっている。
火鍋の由来
四川火鍋が生まれたのが、およそ中国の清王朝時代の道光年(1821~1851)になる。考証によると、四川火鍋の発祥の地は、長江(揚子江)沿いのお酒の町――濾州の小米灘(現在高壩二五廠のあたり)である。調理器具はたった一つの土鍋、鍋に水(または出汁)を入れ、色々な野菜を盛り、体の湿気を取るため唐辛子と花椒を加える。(「野菜は三割の食となり、唐辛子は衣装になる」と言う説もある。)
当時、長江を行き来する船員たちはよく小米灘で宿を取る。その時、小米灘は四川内の長江沿いのちょうどいい規模の港である。船員たちは船を止め、火を焚き、火鍋を作り、寒さを凌いだ。火鍋を食べた船員たちは、言葉が出ないほど満足し、口づてに伝えられ、長江の各港、埠頭で火鍋は知られていた。
火鍋の特徴
伝統的なセンマイ火鍋は牛のセンマイをメイン具材とする。本場のセンマイ火鍋は具材が牛の肝、ハツ、タン、牛ヒレ、血豆腐、とキャベツ、ニンニクの芽、ネギ、豆苗などの野菜となる。
火鍋の具は沢山あり、何百種以上にも増えてきた。食用であれば全部含まれている。家畜、水産、海鮮、猟、動物内蔵、野菜各種、キノコ類など全部火鍋に入れることができる。センマイ火鍋をベースにして、白湯火鍋、両色火鍋(白湯と辣湯)、ビール鴨鍋、犬肉鍋、牛肉火鍋、辛子鶏火鍋等々が創られてきた。その種類は百以上も超えている。外国人のための洋風火鍋もある。