四川料理の紹介シリーズ:水煮牛肉(牛肉の辛味煮)
「水煮牛肉」(牛肉の辛味煮)は特色のある伝統料理、四川料理に属する。主菜は黄牛の赤身で、副菜はもやし、鴨の血豆腐、肉出汁、ステムレタス、とその他の野菜と春雨がある。薬味は、ネギ、塩、醤油、花椒、味の素、菜種油、鷹の爪、ラー油、胡椒、醪粕汁、澱粉と郫県豆板醤である。料理の中の牛肉は辛い熱湯により火が通ったので、「水煮牛肉」と呼ばれた。
水煮牛肉の由来
この料理は四川省自貢市の有名料理人范吉安が考えて生み出した料理である。范吉安は実際の調理経験をまとめ、さらに創新し続けていた。渗汤牛肉(牛肉スープ煮)と言う料理は、 もともとお湯で火を通した牛肉を、塩、醤油、唐辛子と花椒などの調味料でできたタレにつけて食べる料理だった。1930年代、彼は渗汤牛肉(牛肉スープ煮)を 水煮牛肉に変えた。
水煮牛肉の特徴
水煮牛肉は小間切れの牛肉を選び、ステムレタス、大根、ニンジンなどの野菜を使っている。塩、醤油、唐辛子、花椒、とでん粉などの調味料を牛肉の中に加え、混ぜてなじませる。それから、スライスしたステムレタスなどの野菜を牛肉と一緒に鍋に入れて煮る。肉スープとネギを加え、牛肉は伸びていて、光沢が出ていたら、大き目な耐熱皿に入れ、沸騰した麻辣油をかけたら出来上がり。
水煮牛肉は、牛肉が柔らかく、香りが強く、脂が乗っているが脂っこいと感じさせない。熱々で、辛くかつしびれという味わいで、お酒やご飯がどんどん進む逸品である。四川のご当地名物料理となり、1982年に『中国献立』にも選ばれた。
水煮牛肉はしびれと辛い味があり、お肉が柔らかく、香りが強く、四川料理の火鍋のようなしびれ、辛味と熱々な特徴を有している。牛肉は油で揚げたではなく、沸騰した辛いスープで火が通ったため、「水煮牛肉」という名になった。しびれと辛味を重視するため、秋冬よく食べられるという。